腸内フローラを育てる食材
腸内フローラを育てる食材にはどんなものがあるのでしょうか。
腸内細菌にとってどんな食材がご馳走になるのか調べてみました。
フルーツの中では、お馴染みのりんごとみかんです。
りんごやみかんにはペクチンが多く含まれていて、これが腸内フローラの大好物なのです。りんごジャムを作る時に煮詰めると固まりますよね。
実はこれがペクチンなのです。
みかんだと、皮を剥いたら白い筋や綿のようなものがありますよね。
これを取り除いている人はもったいないです。
この白い筋のようなものにレジスタントスターチといって、難消化性に炭水化物が含まれているからです。この捨ててしまうようなものが腸内フローラたちの好物なのです。
近頃、生ジュースが流行っているようですが、ジューサーでフルーツや野菜を絞ると細菌たちのエサとなる皮や繊維質の部分が全部取り除かれてしまうので、細菌たちのエサとなるものがほとんどなくなってしまうのです。
実に持ったない話ですが、ジューサーで作ったジュースには、ただのビタミン入の甘いジュースでしかなくなるからです。
なので、搾りかすが出るジューさーは使わずに、フルーツは皮ごと食べるのがいいのです。りんごもみかん(中袋と白い筋)も皮ごと食べるのがベストな食べ方です。
りんごを皮ごと食べるおすすめの食べ方は、焼きリンゴです。
次の食材は、発酵食です。
発酵食品には、キムチ、ぬか漬け、納豆、ヨーグルト、みそ、チーズ、しば漬け、野沢菜漬け、ザワークラフト、塩麹、ナンプラーなどがあります。
発酵食品には、乳酸菌などの善玉菌が含まれています。
これらの菌は、腸内に定着する菌ではありますが、通過することで、元々お腹の中にいる善玉菌を活性化させる働きがあるのです。
ですので、加熱調理をした発酵食であって菌が死滅していても、その効果が変わらないということが研究でわかっています。
ただ、発酵食品には塩分が結構多いので、摂り過ぎには注意しましょう。
そして、豆類にも食物繊維と炭水化物が組み合わさって腸内フローラには理想の食材となっています。豆の皮の部分に食物繊維が含まれていて、実の部分は炭水化物となっています。豆には、レンズ豆、ひよこ豆、いんげん豆などがあります。
これらの豆は、油との相性もいいので、メキシコ料理などでもよく使われる食材です。缶詰のものはそのまま簡単に使えるので、便利ですが、できたら乾燥した豆を使う方がいいです。それは、乾燥豆にミネラルを排出する物質であるフィチン酸が多く含まれているため、一晩お湯につけておくと栄養が吸収されやすい形に変わってくれるからです。
私はよくポークビーンズというお豆のシチューをよく作ります。
美味しいですよ。
野菜や根菜、キノコ類にも多くの食物繊維が含まれています。
食物繊維には、水の溶ける水溶性食物繊維と水に溶けない不溶性食物繊維があります。根菜やきのこは、不溶性食物繊維です。不溶性食物繊維は、保水性が高く、胃や腸で水分を吸って大きく膨らんで腸を刺激します。そうすると、腸のぜん動運動を促し、お通じやよくなります。
不溶性食物繊維は、大腸で分解されるとビフィズス菌を増やす働きをしてくれるので、腸内環境が改善されていきます。
水溶性食物繊維の代表選手は、わかめやこんぶ、めかぶ、ところてん、ひじき、のりといった海藻類です。「海の野菜、海の野菜・・・」と連呼するフジッコの昆布のCMがありましたが、海藻類は優秀な食材です。
海藻は、食べるとまず胃の中でゲル状になって、食物を包み込みゆっくりと胃腸の中を通過してくれるので、過食を予防してくれます。
そして、糖質をゆっくりと吸収してくれますし、コレステロールを体外に
排出することもできるのです。
だから、ダイエットの良い食材としても注目されているわけです。
他にこんにゃくもありますね。
水溶性食物繊維には、他にネバネバ系の食物があります。例えば、山芋やオクラです。このネバネバ系の食物は、お腹の中で発酵する特長があり、大腸で分解されると腸内フローラたちのエサとなります。
それから、穀類でも腸内フローラを育ててくれる食材があります。
それは、玄米と全粒粉です。
炭水化物ダイエットや糖質オフダイエットが流行り、炭水化物を取らなくなってきていますが、腸内細菌たちにとってそれは食べるエサがなくなるなるという事態を招くので、大変なことなのです。
なので、穀類を摂っていただきたいのですが、玄米が無理なら白米に押し麦を入れるとか、あわ、ひえなどの雑穀を入れるとかして、なんとかして食物繊維を増やしてほしいものです。
パンやパスタも全粒粉にしてみるとか、腸内フローラを育てるためにも毎日の食事から気を使うようにすれば、健康寿命も伸ばせるのではないでしょうか。