腸内フローラは3歳までに作られる
腸内フローラは3歳までに形成されることがわかっています。
赤ちゃんは体内では無菌状態で育ちますが、へその緒を切ってこの世に誕生した時から、たくさんの菌と接触するようになります。
赤ちゃんの腸内は、生まれて3日〜4日後には、ビフィズス菌がどんどん増えていき、腸内フローラはビフィズス菌優位になります。
そして、大腸菌などの有害な菌は100分の1に減ってしまいます。
赤ちゃんの便が黄色っぽくて臭くないのは、ビフィズス菌が一杯ある腸内環境になっているからなのです。
こうして見ると赤ちゃんはお母さんの持っていたビフィズス菌によって守られてきたといえそうです。だから、出産してから後の腸内環境がいかに大切かがよくわかります。
腸内フローラは様々な腸内細菌で形成されていますが、まずはじめに、お母さんの産道を通る時に菌に触れます。そして、お母さんの母乳を飲む時にも菌に触れます。
近頃は除菌や抗菌など、菌は悪いものをと決めつけて排除しようとしていますが、それは大きな間違いであることに多くの人は気づいていません。
人はこの世に生まれ出た瞬間から菌と触れ合い、菌に慣れることによって、強い免疫力を持った腸内フローラを作ることができるからです。
なので、帝王切開をしてお母さんの産道を通らなかったり、除菌をした哺乳瓶で育てた赤ちゃんは、いろんな菌に触れることが少ないので、抵抗力がつかないのです。
昔は、みんな自宅で産婆さんの手を借りて出産してきました。
つまり、自然と悪玉菌たちと仲良くなり、菌に慣れ親しむことで腸内細菌に数を多く持った腸内フローラを形成することができるのです。
除菌除菌とをすべて菌を排除してしてしまい無菌にした結果、アトピー、花粉症などの病気を招いているとしたら、除菌がよいという考え方はちょっと変わるかもしれませんね。
乳幼児に決まった腸内フローラの組織形成は変わらないということですが、赤ちゃんの頃には、ビフィズス菌が優位であったのが、離乳期になると大人のビフィズス菌に変わり、日和見菌が占める割合が多くなり、成人になるとビフィズス菌の占める割合は10%〜20%になってしまうのだそうです。
そして、60歳頃境に、それまで少なかったウェルッシュ菌や大腸菌などの悪玉菌が増え、それ以上の年齢になると、ビフィズス菌はなくなり、悪玉菌のウェルッシュ菌が占める割合が80%ほどになるといわれています。
また、腸ぜん動運動も鈍くなるので、便秘がちになり、腸内は悪玉菌が有害な物質を生み出します。がんの原因となる物質などが多く作られてしまいます。
加齢とともに悪玉菌がどんどん増殖するようになってしまうのですね。
そうならないためにも、食生活を改善し、ビフィズス菌などの善玉菌を積極的に摂り入れるようにすることが大切です。